リブランディングの初動で現れる“組織の変化”とは?
2026-01-30
年始から数回にわたり、私が取り組んだ「リブランディング」の手法についてブログで共有してきました。今回は、その実践を通じて見えてきた“変化”と“成果”を振り返りたいと思います。
リブランディングとは、単にロゴやビジュアルを変えることではありません。ブランドの核となる「意味」や「存在意義」を問い直し、言語化し、発信していく過程です。その過程を通じて、私たちが気づいたのは、「自社のプロダクトや組織に、自然と愛着が湧いてくる」という意外な効果でした。自分たちがなぜこれを作っているのか、なぜこのチームで取り組んでいるのかを改めて見つめ直すことで、一つ一つのプロダクトに魂が宿るような感覚が生まれました。そしてその愛着から、次々と新しいプロダクトが立ち上がっていく。単にアイデアを出すのではなく、「やらなきゃ」という必然性をもってプロジェクトが生まれていきます。この現象には明確なロジックがあります。それが「Opportunity Discovery(機会発見)」です。起業論やイノベーション研究で語られるこの理論は、課題や違和感に気づき、それを「こう解けば価値になる」という仮説に変え、その仮説を元にプロダクトやサービスが立ち上がるという流れを含んでいます。つまり、「ロジック構築能力」があるかどうかが、プロジェクトの立ち上がりやすさを左右します。違和感を言語化し、それを価値に変換する仮説に落とし込める。このプロセスができる人材、あるいは組織文化があるかがカギになります。
ここで重要なのは、「ロジックを量産できる状態」こそが、機会を量産できる健全な組織状態であるという点です。メンバーが自由に違和感を発言できる、それを受け止めて仮説に昇華させるカルチャーがある、小さくてもすぐに試す環境が整っている。この3点が揃うと、組織内でOpportunity Discoveryが連鎖していきます。つまり、プロジェクトが連続的に、しかも無理なく立ち上がります。一人ひとりが「これ、こう変えたらもっと良くなるんじゃない?」と自然に思い、それを実行に移せる。そこに経営者が指示を出す必要すらありません。リブランディングを通じて、私たちがプロダクトに対して抱いた“愛着”は、実は「納得」であったことに気づきました。「なぜこれをやっているのか」「誰のためなのか」「なぜ今なのか」に対する納得があると、人は自然と動きます。Opportunity Discoveryは、単にプロジェクトを生むための仕組みではなく、組織が持つ“エネルギーの源泉”といえます。変化を恐れず、違和感を拾い、ロジックを構築していく。このような文化が根付いた組織は、時代の変化に柔軟に対応しながら、自らの可能性を最大化していくことができると気がつきました。これが私たちの現時点で見えてきた“変化”と“成果”です。 HIRONORI KAJIKAWA



