AIと共存するためのビジネススキル
2026-02-13
「人とうまくやっていくスキル」の価値
AIが仕事を奪う、という言い方は少し刺激的ですが、「AIが得意な仕事が増える」のは間違いありません。特に、管理・集計・分析・報告のような「整える仕事」は、これからAIがどんどん担っていきます。すると私たち人間は、別のところで価値を出す必要が出てきます。
結論から言えば、それは 「人とうまくやっていくスキル」 です。
AIが強い領域が広がるほど人間の価値は「関係性」に移ります。AIは、正確で、速くて、疲れません。数字も資料もミスなくまとめます。だから「管理や分析を頑張る人」が評価される構造は少しずつ変わっていきます。一方で、ビジネスは結局、人が動いて成立します。信頼される人の提案は通りやすく、応援される人の挑戦は支えられ、空気を良くする人がいるチームは強い。AIが業務をになっていく時代ほど人間の仕事は「関係性の設計」になっていく。ここがポイントです。
立場ごとに求められる「人とうまくやっていく力」
▪️経営者:信頼関係をつくれるかが勝負になる
経営者は、経営者同士、投資家、取引先、業務委託先など、社外の人間関係で未来が決まります。情報や戦略はAIで補える時代でも「この人と組みたい」「この人なら任せたい」と思われるかどうかは人間にしか作れません。
・約束を守る
・誠実に説明する
・不都合なことほど早く共有する
・相手の得を考える
こうした積み重ねがAIでは代替できない「信用資産」になります。
▪️管理職:理念と価値観を伝え、信頼を集める技術
管理職に必要なのは、指示の上手さだけではありません。AIがタスク管理や進捗分析をやってくれるほど、管理職の仕事は「人の納得を作る」「意思を揃える」方向に寄っていきます。
・何のためにやるのか(理念)
・何を大事にするのか(価値観)
・どう判断するのか(基準)
これを言葉にして伝え、メンバーの心を一つにできる人が強い。そして、日々のコミュニケーションで信頼を集められる人がチームを伸ばします。
▪️メンバー:仲間や上司と楽しく仕事をする「自分つくり」
メンバーにとっても、AIは便利な相棒になります。だからこそ差が出るのは「周りと良い空気で仕事ができるか」
・感情的にならない
・相談できる
・ありがとうが言える
・相手を立てられる
・場の雰囲気を良くできる
こうした「人として一緒に働きやすい」要素が評価やチャンスに直結します。実力が同じなら、最後は「一緒にやりたい人」が選ばれるからです。
実は超重要な「細部」
「人とうまくやる」と言うと、心理学や交渉術みたいな話を想像しがちですが、もっと地味で日常的なものが効きます。
・話し方(語尾、声のトーン、結論の出し方)
・気持ちのコントロール(イラつき・不安との付き合い方)
・挨拶(先手、明るさ、相手の名前)
・お酒の飲み方(無理しない・乱れない・相手を気遣う)
・清潔感やおしゃれ感(信頼は見た目の安心感から始まる)
これらはスキルというより「習慣」ですが、習慣は人間関係の評価を静かに積み上げます。AI時代ほどこういう部分が差になります。人から信頼を得て好感を持たれるためには、まず相手目線で物事を見るという視点をもつこと、そして話し方やふるまい、約束の守り方といった具体的な振る舞いを学び、日々の行動で磨き続けることが必要です。
「コミュニティを作る力」「応援される力」が武器になる
これからは、個人が会社や肩書きだけで勝負する時代ではなくなります。横のつながり、コミュニティ、共創が増えます。
・人が集まる場を作れる
・人を紹介できる
・誰かの挑戦を応援できる
・応援される人格、姿勢がある
こうした力は、仕事のチャンスを運んできます。そしてAIが普及するほど「人の温度」がある人が真ん中に立つようになります。人が集まる場をつくれる人には情報やチャンスが集まり、応援される人には協力者や紹介が増える。結果として、一人では届かない成果を、仲間の力で実現できるようになります。コミュニティを作れる人は、人と人をつなぎ、信頼と協力が生まれる場を育てられるため、情報・チャンス・仲間が自然と集まり、個人の力を超えた成果を生み出せます。それができる人の価値は、ますます高まるでしょう。
超仲良しクラブ時代へ
これからは、仲間作りが上手な人、人とうまくやれる人に仕事が集まる時代になります。スキルや実績が同じくらいなら「一緒にやりたい」「任せて安心」と思われる人が選ばれ、紹介や声かけの回数が増えていくからです。反対に、周りと関係を築けず仲間はずれの状態になってしまうと、情報もチャンスも自然と遠のき、仕事は増えにくくなります。つまり、能力だけで勝負するのではなく、信頼の輪の中に入っているかどうかが仕事量を左右する。そういった意味で、私たちは今まさに「超仲良しクラブ時代」へ突入していると言えるかもしれません。
AI時代の価値は「人とうまくやっていく能力」
AIは管理や分析をどんどん担っていきます。だからこそ私たちは、別のスキルを磨く必要があります。それは、話し方・感情の扱い方・礼儀・身だしなみ・コミュニティづくりなどを含む、人間関係の総合力です。AIがどれだけ優秀になっても、信頼を築くこと、空気を整えること、相手の不安を取り除き前に進ませることは、人が人に対して行う仕事として残り続けます。そしてビジネスの成果は、結局「誰と」「どんな関係で」動けるかで大きく変わります。信頼される人には相談が集まり、応援される人には協力者が集まり、仲間をつくれる人にはチャンスが集まる。だからこそこれからの時代は、能力の高さだけでなく、周囲と良い関係をつくりながら前に進める人が強いのです。まずは挨拶ひとつ、約束の守り方ひとつ、相手への配慮ひとつからで構いません。この流れを味方につけた人から、仕事の広がり方そのものが変わっていくはずです。 HIRONORI KAJIKAWA


