市場フェーズに合わせた戦略的リブランディングの最適解
2026-01-09
ホールディングス × リブランディング — 二つの視点からみる経営戦略
「なぜホールディングスなのか?」
「なぜリブランディングなのか?」
経営者としてこの問いに答えを持っておくことは、ステークホルダーにとっても、組織自身にとっても極めて重要です。私たちはこれを、生存戦略としてのホールディングス化と、成長戦略としてのリブランディングという二つの視点から位置づけています。
① ホールディングス — 生存戦略としての選択
まずホールディングス化は、単なる組織再編ではなく、リスク分散と持続的な企業体の確立という観点からの戦略です。企業は常に外部環境の変化にさらされ、不確実性が高まっています。事業構造が一本足では、たった一つの事業の失敗が組織全体の存続を脅かす可能性すらあります。私たちは、これを避けるために事業ポートフォリオの多様化を進め、リスクを分散する必要があると考えました。結果として、ホールディングス体制を敷くことは、安定した経営基盤の構築と同義なのです。
また、ホールディングス体制は、単にリスクを分散するだけでなく、事業を創る人材の育成という意味も持っています。各事業会社がそれぞれ独立性を持ちながら経営を行うことで、次世代の事業リーダーが実務を通して経営感覚を磨いていくことができます。これは将来の経営幹部育成における最良の実践の場となり、企業全体の競争力と人材力の向上にも寄与します。こうした観点から、ホールディングス化は私たちにとって「守りの戦略」ではなく、長寿企業として生き抜くための必然の選択です。
② リブランディング — 成長戦略としての刷新
次に、リブランディングは私たちにとっての「攻め」の戦略です。ここではマーケティング論におけるプロダクトライフサイクル(PLC)の考え方が役立ちます。PLCは、事業や製品が導入期、成長期、成熟期、衰退期というサイクルを辿るという概念です。どの企業、どの製品も例外ではありません。
現状、私たちの企業には「投入期」や「成長期」の事業が不足しているという現実があります。成熟期・衰退期にある事業だけでは、企業の将来の成長を支えることは困難です。そこで、組織として再成長を遂げるためにリブランディングが必要だと判断しました。
リブランディングとは、単にロゴや色を変えることではありません。存在意義(パーパス)を再定義し、顧客・市場・社会との関係を再構築するプロセスそのものです。私たちはブランドの核となる価値を見直し、組織全体が同じ言葉を共有し、同じ方向を向くための基盤をつくりました。これにより、既存の枠組みにとらわれない新たな企画や事業が生まれる土壌が整い、結果として新たな市場機会の創出につながります。結果的にリブランディングは、企業の外部に向けたメッセージ刷新だけでなく、内部の意識変革を促す成長戦略となります。
融合する二つの戦略
ホールディングスとリブランディングは、一見すると異なる目的を持つ戦略のように見えます。しかし、私たちはこの二つを同時並行で進めることこそが、「安定」と「進化」を両立する経営につながると確信しています。
ホールディングスは、変化の激しい環境でも企業体を生かし続けるための「基盤づくり」
リブランディングは、未来に向けて前進するための「成長の原動力」
この両輪がしっかりと回ることで、企業としての持続的な価値創出が可能になります。
今回のブログでは、リブランディングの目的や戦略についてご紹介いたしました。次回は、“見せ方”より“在り方” それがブランドを変える力、というタイトルでリブランディングの構造についてお伝えしたいと考えております。引き続きお付き合いいただけますと幸いです。 HIRONORI KAJIKAWA



