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『アメリカのTikTok禁止法』日本への影響は?

米国バイデン大統領は4月24日、米国内でのTikTok利用を禁止する項目を含む法案に署名をしました。安全保障上の理由から中国の親会社バイトダンス(字節跳動)に対し、TikTokの米国事業を1年以内に米国企業へ売却するように迫っており、これが守られなかった場合、TikTokは米国から姿を消すことになります。これに対して、TikTok最高経営責任者(CEO)の周受資氏は、法律の違憲性(表現の自由を侵害)を問う訴訟を起こす考えを明らかにしており、法が求めるTikTokの米国事業売却には応じず、徹底抗戦する構えを示しています。米国政府が期日指定している1年以内とは、バイデン大統領が法案に署名した日から1年以内の2025年4月23日まで。それまでにTikTokは米国企業へ売却されるのか、それとも米国内から姿を消すのか、はたまた周受資氏の訴訟が逆転勝利を収めるのか、着地に対して世界中から注目が集まっています。













TikTokは、世界の月間利用者数が16億7,700万人、日本国内の月間利用者数は2,800万人(2024年2月時点)となっています。日本国内でも多くのユーザーに利用されているTikTokですが、米国同様に日本国内でも利用が禁止となってしまうのかどうか気になるところであります。


あるSNS専門家にその辺りを聞いてみたところ、「確かに、日本はアメリカと日米安全保障条約を結んでいるため、何らかの影響を受ける可能性はあります。但し、今のところ日本国内で利用が禁止されたり、アプリの配信が止まったりする予定はありません」との回答。日本政府は、SNSアプリが国家安全保障に影響を及ぼすとはあまり思えないと判断している旨の説明を受けました。


しかしながら、自民党の「ルール形成戦略議員連盟」が問題視はしており、データの不正使用が疑われる場合はアプリ業者への立ち入り検査を容易にする体制作りを検討しているという動きはあるようです。
「TikTok念頭 情報漏れ防止策 自民提言」(日経電子版)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63688090Q0A910C2PP8000/


仮に、TikTok利用禁止の法案をまとめる動きが始まった場合、まず「個人情報の保護に関する法律」に基づいて調査を行い、合理的な理由があれば提訴するというステップを踏むため、最低でも数か月から数年を要することになります。そのため、少なくともある日突然、TikTokが利用できなくなることや、TikTokにログインできなくなるといったことは無いと言えるでしょう。


とはいえ、「利用者情報が中国政府に流されている」という疑惑は払拭しきれておらず、まだ警戒が解けてはいません。もっとも、TikTokに限らず、位置情報や写真フォルダから自動的に情報を取得するアプリは多数あります。SNS社会においては、個人情報漏洩に対する危機感は常に持ち、スマホの設定を見直すなど「自分の情報は自分で守る」ことを意識することが重要なのかもしれません。ということで個人的には、自分の情報は自分で守りながら、これからもTikTokを楽しみたいと思います。HIRONORI KAJIKAWA