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『デジタルでのつながり』を顧客基点で考える

コロナ禍がもたらした最も顕著な変化は「暮らしのデジタルシフト」が急速に進んだことであるといえます。コロナショックによって、仕事のみならず、買い物や教育、エンタメなど、暮らしの多くの局面においてデジタルシフトが加速しました。その新しい暮らしにおいては、Amazon、Zoom、ウーバーイーツ(出前館)など、デジタルでのつながりを提供してくれる企業やサービスに大きく助けられることになりました。それらの企業とは心理的、習慣的なつながりが強く、私たちの暮らしに必要不可欠なものになりました。そして、デジタルを通した体験を「新たな価値」として受け入れた私たちは、あらゆる場面においてデジタルの利便性や快適性を求めるようになっていきました。コロナ禍をきっかけに訪れたデジタル革命の時代においては、顧客と企業がデジタルで直接的なつながりを創ることがビジネスモデルの前提となってきています。



前述した通り、デジタル革命の時代におけるビジネスモデルの前提は「企業が顧客と直接的なつながりを創ることができる」ということにあります。しかし、企業が顧客と直接的なつながりを創れるのは「顧客側からつながりを創りたい」と思われた場合にのみ実現することができます。商品やサービスを提供するだけで価値を実現できていた時代は終わりを迎え、顧客への恒常的な提案・提供を行えなければ、つながりを失ってしまうことにもなり得ます。



顧客にとって、自社とつながり続けていることの価値は何だろうか





デジタルによってつながっていることの価値を感じる主体は、商品やサービスを提供する企業側ではなく、その価値を享受する「顧客側」となります。「顧客側から見た価値」がなければ、たとえデジタル顧客接点があったとしてもそのつながりはいずれ切れてしまうことになります。顧客と常につながれるデジタル時代においては、顧客がつながっていたいと思えるような、SNSを含むデジタル上の価値を創ることを念頭において、いま一度、「顧客価値」を見直しする必要があるかもしれませんね。HIRONORI KAJIKAWA