梶川弘徳

CFY代表取締役CEO/Bequeath代表/ギネス世界記録 Largest kimono collectionを保有/カッコいい日本文化が好き/トライアスロンIronmanの特訓中/経営者として、マーケターとして、Ironmanを目指す者として「きものではたらく社長のBlog」配信中

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Webマーケティングで経営改革する「出前館」

以前から『出前館』のアプリはスマホに入ってはいたものの、数年前に出前館を利用した時、アプリの使用感が悪くてあまり良い印象がありませんでした。メニューも少ないイメージがあったので「食べたい物がない」と決めつけていたところもあります。私はそもそもデリバリーの利用が多くなかったので、出前館は人が集まるときに「ピザ」か「寿司」を数回利用したことがあるくらい。そんな私ですが、いつの間にかデリバリーをよく利用するようになり、デリバリーを利用する時は『出前館で検索』をするようになっていました。出前館のアプリにデリバリーの利用価値を変えられたとさえ感じています。恐らく、2020年以降、私のように出前館を利用する頻度が高まった人は多いのではないかと思います。それはコロナ禍という環境の変化だけではなく、『新生出前館』が取り組んだ経営改革の成果でもあります。出前館は、2020年3月26日開催の取締役会においてLINEグループと資本業務提携を締結し約300億円の第三者割当増資を行なうことを発表しました。これは、LINEグループが出前館を実質子会社にしたことを意味しています。その後、LINEグループから出前館へ経営陣が入り、経営改革が始まりました。



『出前がスイスイスーイ♪』





2020年夏頃から浜ちゃんが歌う「出前がスイスイスーイ♪」のスーダラ節がCMやWeb、街中のデジタルサイネージで良く目や耳にするようになりました。あまりにも良く耳にしていたせいか、頭の中で歌ってたこともあります笑。このCMで出前館のブランド認知率は79.9%まで上がり、CM放送前よりも22ポイントアップしたそうです。銘柄別CM好感度ランキングでも3位にランクインしたそうで、出前館のCMが消費者にいかに浸透したかがうかがえます。出前館はこのCMを軸にしたWebマーケティングで経営改革を進めています。出前館のWebマーケティングには様々な手法が施されていますが、特に意識している概念としては『再現性』と『IDマーケティング』であると汲み取れます。再現性とは、サービスを繰り返し利用してもらうためのアプローチ、あるいは仕組みを作ること。再現性を実現させるために行きついたのが『認知度アップ』と『出前館で検索』というポイントへのアプローチです。浜ちゃんが歌う「出前がスイスイスーイ♪」のCMにはその要素が簡潔に詰め込まれていました。そして、『IDマーケティング』とは、「利用者の属性及び利用データを活用したマーケティング」のことをいいます。例えば、ある人が週末の夜、頻繁にカレーのデリバリーを頼んでいるとすれば、その時間帯にカレーのオススメをプッシュ通知する、といった販促施策です。いつ、どんな店で、どんなメニューを注文したのか。金額、曜日、時間帯、そしてスマホの位置情報。このようなデータを徹底的に管理して利用者の行動特性を把握し、販促に活かす。今までは、広くWeb広告の活用をしていたところ、これからは『IDマーケティング』の仕組み作りに舵を切るそうです。



私が出前館を良く利用するようになった経緯を思い返すと、浜ちゃんが歌う「出前がスイスイスーイ♪」のCMで認知度が上がり「出前館で検索」するようになった。そして、アプリの使用感が気に入ったことでデリバリー自体の利用率が上がった。今では、お得なオススメメニューのプッシュ通知で出前館を利用することもある。まさに出前館のマーケティングにハマっております笑。



新生出前館がデリバリー戦国時代に立ち向かって2年が経過。ウーバーイーツなどのグローバル企業との競争と、出前館の立て直しで改革の軸になっているのがWebマーケティングであります。ユーザーの利便性を重視した経営改革によって会員数は582万人まで増加。売上も昨年対比で3.1倍になったとのこと。しかし、出前館はまだ投資フェーズにあり、2021年8月期連結決算は、売上高104億円、営業利益83億円の赤字となっています。2022年も赤字は続く見込みではあるが、2023年度には120億円の黒字を目指し、そこから先は安定的に黒字が続くと見込んでいるそうです。その実現に向けて、利用者を重視した様々なWebマーケティングが繰り広げられると思いますので、業績とともに注目しておきたいところですね。HIRONORI KAJIKAWA