Webマーケティングで経営改革する『出前館』
2022-02-04
『出前がスイスイスーイ♪』
2020年夏頃から浜ちゃんが歌う「出前がスイスイスーイ♪」のスーダラ節がCMやWeb、街中のデジタルサイネージで良く目や耳にするようになりました。あまりにも良く耳にしていたせいか、頭の中で歌ってたこともあります笑。このCMで出前館のブランド認知率は79.9%まで上がり、CM放送前よりも22ポイントアップしたそうです。銘柄別CM好感度ランキングでも3位にランクインしたそうで、出前館のCMが消費者にいかに浸透したかがうかがえます。出前館はこのCMを軸にしたWebマーケティングで経営改革を進めています。出前館のWebマーケティングには様々な手法が施されていますが、特に意識している概念としては『再現性』と『IDマーケティング』であると汲み取れます。再現性とは、サービスを繰り返し利用してもらうためのアプローチ、あるいは仕組みを作ること。再現性を実現させるために行きついたのが『認知度アップ』と『出前館で検索』というポイントへのアプローチです。浜ちゃんが歌う「出前がスイスイスーイ♪」のCMにはその要素が簡潔に詰め込まれていました。そして、『IDマーケティング』とは、「利用者の属性及び利用データを活用したマーケティング」のことをいいます。例えば、ある人が週末の夜、頻繁にカレーのデリバリーを頼んでいるとすれば、その時間帯にカレーのオススメをプッシュ通知する、といった販促施策です。いつ、どんな店で、どんなメニューを注文したのか。金額、曜日、時間帯、そしてスマホの位置情報。このようなデータを徹底的に管理して利用者の行動特性を把握し、販促に活かす。今までは、広くWeb広告の活用をしていたところ、これからは『IDマーケティング』の仕組み作りに舵を切るそうです。
私が出前館を良く利用するようになった経緯を思い返すと、浜ちゃんが歌う「出前がスイスイスーイ♪」のCMで認知度が上がり「出前館で検索」するようになった。そして、アプリの使用感が気に入ったことでデリバリー自体の利用率が上がった。今では、お得なオススメメニューのプッシュ通知で出前館を利用することもある。まさに出前館のマーケティングにハマっております笑。
新生出前館がデリバリー戦国時代に立ち向かって2年が経過。ウーバーイーツなどのグローバル企業との競争と、出前館の立て直しで改革の軸になっているのがWebマーケティングであります。ユーザーの利便性を重視した経営改革によって会員数は582万人まで増加。売上も昨年対比で3.1倍になったとのこと。しかし、出前館はまだ投資フェーズにあり、2021年8月期連結決算は、売上高104億円、営業利益83億円の赤字となっています。2022年も赤字は続く見込みではあるが、2023年度には120億円の黒字を目指し、そこから先は安定的に黒字が続くと見込んでいるそうです。その実現に向けて、利用者を重視した様々なWebマーケティングが繰り広げられると思いますので、業績とともに注目しておきたいところですね。HIRONORI KAJIKAWA
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