ボイステック革命って凄いかも
2021-08-06
Webや動画の進化によって私たちの生活は数年前よりも格段と便利でスマートになりました。ボイステックは、そのWebや動画のインターフェースに加わって、またひとつ新しいインターフェースが増えるのだろう、という程度に私は捉えていましたが、Voicy(ボイシー)CEOの緒方氏は著書の中で、「音声は“楽に情報を得る”究極の形」と言っています。デバイスの進化による情報取得インターフェースの変化は、一般的には「流通する情報量の増加」と見られがちですが、緒方氏の視点は少し違うようです。『世の中は、情報を得るために起こる「生活の犠牲度」が減少する方向に動いている。人は、出来るだけ楽に情報を得て、生活を豊かにしたいと願う。インターフェースは、こうした人間の「楽に情報を得たい」という欲求に合わせて、急速に進化してきた。ボイステックの世界になると、情報を得るために費やす手間や時間はさらに減る。それは、画面に縛られることなく、いつでもどこでも情報が得られるようになるからだ。人間の「楽に情報を得たい」という欲求が行きつく、究極の形が「音声」なのだ』と語っています。単なる「流通する情報量の増加」ではなく、ボイステックは私たちの生活をより良いものに変える大きな力を持っているということで、「ボイステック革命」と認識すべきなのかもしれません。
今後、ボイステック市場は大きく成長すると感じてはいます。しかし現状では、あちこちに予兆は起きていて萌芽の兆しは見えているものの、音声分野のマネタイズはごく一部にとどまっていて、キラーコンテンツも日本ではそれほど生まれてはいません。サービスの形やコンテンツの幅、あるいは広告の仕組みや認知度など、多くの課題を抱えていますのでまだまだ発展途上の市場でもあります。しかし、「情報と人の関わり方を思い切り変える、スマホ登場以来の大きな変化」といわれるボイステック革命。それだけに、家の中やスマホの音声アシスト、Voicyやクラブハウスなどのボイスメディア、すでに音声広告を実装している音楽ストリーミングサービスSpotifyなど、身の周りあるたくさんの音声サービスを積極的に利用して、ボイステック革命に乗り遅れないようにしていきたいものです。HIRONORI KAJIKAWA