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経営者の『アイゼンハワーマトリクス 第一領域』

2024-05-17
アイゼンハワーマトリクスは、タスクの優先順位付けや仕事量の管理に役立つシンプルなワークフローで、アイゼンハワーの法則、または緊急度重要度マトリクスとも呼ばれています。アメリカ第34代大統領であるドワイト・D・アイゼンハワーが活用していた手法に基づく「タスク管理」のテクニックとして有名になった考え方で、「重要、重要ではない、緊急 、緊急ではない」という4つの基準を基にタスクの優先順位を決定します。


「重要、重要ではない、緊急 、緊急ではない」というタスクの優先順位は、経営者にとっても当然重要なことではありますが、私は特に「第一領域に何を置くのか?」ということが経営の結果に大きな影響を及ぼすと思っています。というのも、私は、自身のアイゼンハワーマトリクスの「第一領域」に置くタスクの考え方が違っているかもと感じた事案があり、修正を行ったことから知見を得ました。


これまで私は、日々の経営判断や事務作業、収支確認といった短期的なタスクに多くのリソースを割いており、結果的にそれらがアイゼンハワーマトリクスの第一領域に置かれていました。逆に、組織改編や人材育成、長期ビジョンや未来展望などといった長期的なタスクは「重要だが緊急ではない」と考えていたため、結果的に第二領域に置かれていました。


日々、会社としての問題や組織としての課題が出てくるなかで、それらの問題や課題を整理をしてみると、重要なタスクを第二領域に置いていることが原因で、短期的なタスクの量が増えているということに気が付きました。例えば、船である目的地へ向かっているとします。その船はいつも「荒波を乗り越える」という問題を抱えているならば、「目の前の荒波をどうやって乗り越えるか」よりも、「どのルートを通れば荒波に遭遇しなくてすむのか」を「重要かつ緊急」のタスクとし、優先的に解決しておけば、いつも「荒波を乗り越える」という短期的なタスクに追われることはないはずです。私の場合、本当は第一領域に置くべきタスクを第二領域に置いていたため、短期的なタスクにリソースを割く事案が多く発生していました。


そこで、「経営者として第一領域に置かなければならないことは何だろうか?」と私なりに考えて整理し、第二領域に置いていた長期的なタスクを「重要かつ緊急」の第一領域に置いてみることにしました。途中段階のこともあるので明白ではありませんが、良い変化を感じています。「どのルートを通れば荒波に遭遇しなくてすむのか」を第一領域に置くことで、会社としての問題や組織としての課題に遭遇する機会も減り、経営者として会社を良くすることに時間を使えるのかもしれないと感じています。アイゼンハワーマトリクスの第一領域に何を置くべきか?目の前の問題が多いなと感じた時は、いちど整理してみても良いかもしれません。何かの参考になれば幸いです。HIRONORI KAJIKAWA