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Z世代の目には世界がどう映っているのか

Z世代とは


「真のデジタルネイティブ」とも言われているZ世代。「Z世代」は、世代分類を指す言葉としてアメリカで誕生しました。アメリカで使用されているジェネレーションZ(Generation Z)の訳語として、日本でもZ世代という区分呼称が広まっています。Z世代は、一般的に1996年から2010年ごろにかけて誕生した人たちとされ、2021年現在で11歳~25歳という年齢に属します。通信手段はガラケーではなくスマートフォン、コミュニケーションツールは専らSNS。子供の頃からこれらを当たり前のように使いこなしているのがZ世代。そういった背景からZ世代は「ソーシャルネイティブ」や「スマホネイティブ」といった呼ばれ方をすることもあります。Z世代の多くがこれから青年期を迎え、社会進出を果たします。そして2031年までに、Z世代の収入が世界の1/4以上に達し、購買力がミレニアル世代を上回るとの見方もあります。経済の未来はZ世代の手の中にあると言っても過言ではないかもしれません。数年後に市場の主役となるZ世代の行動様式や購買心理を学ぶことはマーケティング分野において非常に重要な課題になってくるでしょう。



Z世代の特徴


Z世代はSNSが生活に密着しており、コミュニケーションや情報収集においてSNSを当たり前のように使用しています。デジタルは生活の一部であり、新しい機能やデバイスにもすぐに順応していきます。また、人とつながること、面白いと思ったことや感動したことなどを共有することを大切にし、世界中の膨大な情報から自分が興味を示す情報をつかむことに長けています。さらに自己承認欲求が高い傾向にあり、自分スタイルの発信者として一人ひとりがインフルエンサーとなり得る資質を持っています。趣味や個人的な事だけでなく、地球上で起こっている社会問題や環境問題などにも関心を持ち、自分の意見をSNSを通じて発信する人が多いのも特徴として挙げられます。一方で、SNSのリテラシーが高くさまざまな炎上事例も見てきていることから、プライバシーの保護には慎重な面もあり、顔を出さずに高評価をもらうためのテクニックに関心があります。個性は大事にするものの、まわりから浮きたくないという同調志向もあるため、不用意な投稿は避ける傾向にもあるようです。



Z世代の消費行動


経済不況の環境下で成長したZ世代は、将来のことを考えて貯蓄や節約に関心をもっている人が多く、消費行動の際にはコストパフォーマンスを重視する傾向が強いようです。SNSなどで多くの情報に触れ選択肢も豊富であることから、商品を購入する際は十分調べた上で納得してから意思決定します。購入にあたっては有名ブランドであることよりも、ブランドに共感が持てるかどうかが優先であり、品質や性能、コンセプトなどを確認したうえで、最終的に価格が総合的な価値に見合っているか、ということを考えて判断します。また、自分らしさを重んじる傾向が強いため、パーソナライズされたサービスや商品を好む傾向にあります。所有することよりもシェアサービスに興味を持ち、無駄な出費を抑えて様々な体験ができるサブスクリプションサービスも好んで利用しています。消費には決して積極的とはいえないZ世代ですが、自分が価値を感じたものであれば、支出を惜しまないという行動もみられます。マーケターはまず、Z世代の消費行動にはこのような特徴があると理解する必要があるでしょう。



マーケティング思考


Z世代に向けた商品やサービスを展開するために企業としては、商品やサービスが誕生するまでのストーリーやエピソードを語ったり、地球環境や社会問題にも触れたりすることがZ世代から支持される基本的な考え方であると認識する必要があります。また、Z世代はオンラインですべてが完結することに慣れ親しんでいる一方で、リアルな体験への欲求が強い面もあるようです。ファン同士が集まるイベントや、人同士がコミュニケーションを取る時間は「貴重な価値」があるという認識を持っています。Z世代はリアルとオンラインを区別せず、両者を自然に取り入れていることにも注目したいところです。

Z世代の影響で10年以内に勢力図が塗り替えられる可能性がある業界もいくつか浮かびあがっているといいます。ベビーブーマー世代が引退し、支出を現状維持かそれ以下に抑制する一方で、Z世代の多くはこれから青年期を迎え、社会進出を果たし、Z世代の収入が世界の1/4以上に達することに要因があります。


『Z世代の目には世界がどう映っているのか』




この目線を持つことで、世代的文脈という最重要の手がかりが手に入り、理解と共感、信頼と感化ができるようになります。Z世代は「多様性とともに自分らしさを大切にする」「経済的には保守的だが、共感できるものには投資を惜しまない」「社会に貢献したいという意識がある」などといった考え方を持つ。そして、Z世代の望みは、世の中にプラスに影響を与えようと努力している企業やリーダーを後押しすることである。これらを踏まえたうえで企業としては、Z世代の価値観を柔軟に取り入れて、世の中とZ世代の役に立とうとする姿勢が大切であるのかもしれません。HIRONORI KAJIKAWA