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コロナ禍でこそ活かしたい『経営理念』

2021-08-20
新型コロナウイルスの感染拡大から1年半が過ぎても終息のめどは立たたず、最近でもその勢いは増すばかりで、企業を取り巻く社会・経済環境において不確実性・複雑性・曖昧性といった要素は今後もさらに増え続けていくとさえ感じてしまいます。また、新型コロナウイルスが拡大したことにより、テレワークをはじめとした働き方改革が一気に加速し、企業は働く場所、雇用形態、価値観など様々な変化を求められることとなりました。そして、働く場としての環境が大幅に変わったことで、社内コミュニケーション不足が指摘されたり、将来の不安が増したり、様々な問題が顕在化されました。そんなコロナ禍の働き方においては、社員間や上層部とのコミュニケーションが思うように取れない状況だからこそ、"社員が共感できるミッションやビジョンの明確化"がエンゲージメントを高めるひとつの要素として、今後ますます重要な役割を占めるのではないかと考えます。「われわれの組織は何を為すべきか」という思想を共有し、理念や方針といったビジョンを全社員に周知することで価値観とベクトルを合わせ、主体性を発揮して仕事に取り組み、働きがいを向上させることができるのではないかと思います。



“理”ばかりではなく、経営には“情”が必要なんじゃないか?



「経営理念とは企業が目指す理想形を明文化したもの」ということをよく目にします。確かに、経営理念とはこのことだと思います。しかしこれは、会社や経営層が目指す理想形であって、社員にはいまいち身近には感じないのではないかとも思います。経営理念を主軸に経営する場合、大切にしたいのが「経営層の独り言にしないこと」これは私自身に言い聞かせている言葉です。



「企業は人なり」



社員一人一人が組織に愛着を持ち、社員と企業が一体となってお互いに成長し合い、深い絆で結ばれた関係をつくる。そのためのエンゲージメントを高めるためにはどのような施策が必要なのか?まずは経営理念そのものの"存在を示す"ことではないでしょうか。潜在意識まで経営理念の存在がしみこむように目・耳・口に訴えることが重要ポイントであると考えます。



私が大切にしていきたい3つのこと
①トップメッセージとして経営理念の存在意義を実情に合わせて発信
②トップ自らが社員へ向けて日々の朝礼やミーティングで伝播
③社員参加型の社内ツールへの展開



経営理念の共有は、トップの「熱意」と「率先垂範」が大切だと考えています。経営理念が勝手に浸透していくことはありませんし、実情と合わないことを独り言のように語っても良くない。揺るぎのない経営理念を、環境変化を見据えたトップの言葉として日々伝えていくことが重要なのではないかと思います。そうすることで社員一人一人が経営理念の意義を見出すことができ、主体性を発揮して仕事に取り組み、働きがいを向上させることができると考えます。それらの結果として強い組織に成長していく。そういうものだと自分に言い聞かせ続けていきたいと思います。HIRONORI KAJIKAWA