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動画配信巨大マーケットの中国から学ぶ

動画配信巨大マーケットの中国


中国の人口は2020年現在、14.3億人で世界最大規模。さらに2030年までは増加傾向が続くと国連が推移予測データを発表しています。その人口の多い中国では当然、インターネットを利用する人も多く、インターネット利用者数は2020年6月時点で9.4億人、普及率は67.0%です。そのうち、スマホによるインターネット利用者は9.32億人となり、インターネット利用者全体の99.2%を占めています。


また、中国はスマホユーザーにおける動画配信サービスの普及率で見ても、2019年時点で日本が26.8%であるのに対し中国が50.2%と、動画配信サービス利用者層が厚いことも特徴として挙げられます。


一方で、その動画配信大国の中国はGoogleが利用出来ないなど様々な情報規制があり、動画サービスにおいてもNetflixをはじめとしたアメリカ発のサービスはほとんど使うことができず、その結果、愛奇芸(iQIYI、中国版Netflixと呼ばれているサービス)や騰訊視頻(Tencent video)など独自に発達した動画配信サービスが多く利用されています。


そんな動画先進国の中国は日本とどう違うのか、どのように進化をしているのか、動画配信巨大マーケットの中国から動画配信のマーケットについて学んでみたいと思います。





中国の主な動画サービス


<動画配信サービス3強>


▪優酷(Youku)中国版Youtube
▪愛奇芸(iQIYI)中国版Netflix
▪騰訊視頻(Tencent Video)中国版LINE「WeChat」運営会社テンセントが運営。


<あとに続く2強>


▪芒果TV(Mango TV)中国版AbemaTV
▪哔哩哔哩(bilibili)中国版ニコニコ動画

●山下智博さん
bilibiliで650万人のフォロワーがいる日本人。動画再生6億回以上。「中国一愛されるキモい日本人」として注目されています。
Twitterアカウント @jibo33


<主な動画共有サービス>


▪抖音(TikTok)
▪快手(Kuaishou)

中国の動画配信サービスは独自に発達しており、競争が激しいことで各社のサービスがスピード進化しており、サービス利用者は視聴したい番組の好みによって利用するサービスが多岐に渡っています。



ライブ配信の定着


<ライブコマース>


今、中国では動画のライブ配信が盛んに行われています。そのライブ配信を活用したビジネスとして、商品をライブ配信で売る「ライブコマース」がスタンダードな販売方法として定着しています。2020年の中国ライブ配信市場規模は5.26億人、ライブコマースのユーザーは2.65億人となったそうです。


<主なライブコマースプラットフォーム>


▪Taobaoライブ
▪TikTok
▪KuaiShoライブコマース
▪REDライブ
▪DOUYUライブ
▪bilibiliライブ
▪微信ライブ

2020年、アリババが主催する「独身の日セール(ダブルイレブン)」でのタオバオライブ配信による1日の売上は約200億元(約3260億円)にのぼるなど、中国でのライブ配信の影響力はとても大きいものになっています。


<KOLによるマーケティング>


KOLは「Key Opinion Leader」の略で、端的に言えば中国版インフルエンサーのことをいいます。中国では、企業がライブコマースでKOLを活用して「短時間で商品を売る」という販売方法を主軸とした営業戦略が成果を挙げているそうです。活用される側のKOLも短期的な収益を挙げることを目的に、SNSの活用ノウハウを身に付けているといいます。そしてユーザーは、人気のあるKOLが宣伝する商品を楽しんで買い物をするという、三方の構図がしっかりと出来上がっている印象を受けます。企業とKOLとユーザーの動態が一致しているということが、中国のライブコマース市場の成長に繋がっているのかもしれません。





中国でライブ配信が成長する背景は?


ライブ配信やライブコマースは日本においても成長しているサービスではあります。しかし、現状では中国との圧倒的な市場規模の違いがあります。もちろん人口規模に10倍以上の違いがあることが一番の要因ですが、要因はそれだけではないように感じています。中国人の友人に話しを聞くと、「誰からの話しなのか」や「すぐに動きたい」というスピードとソースを重視する話しがよく話題に挙がります。KOL×ライブコマースというサービスは、まさにスピードとソースのニーズを実現できる要素を含みます。人口規模という要因以外にも、そういった人的ポイントに企業がしっかりと目を向けている、という背景がマーケットを拡大させ続ける要因のひとつとしてあるのかもしれません。





2020年に日本でも開始された5Gサービスは、「高速大容量」「低遅延通信」「多数同時接続」という3つの技術的な特徴があります。これから5Gが本格的に普及していくにつれて、発達する分野/サービスとして注目されているひとつに「ライブ動画配信」があります。来る5G本格時代に向けて、今のうちからライブ配信の配信技術やコンテンツ制作のノウハウを構築していく必要があるかもしれませんね。HIRONORI KAJIKAWA










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